2011年12月23日金曜日

箴言

男の人がほんとに離婚マンガを描きたがらないっていう話は編集さんがしてました

そもそも離婚経験自体、女の人にとっては、べつにどっちが悪いんじゃないんでもない、うまくいかなかっただけだ、っていう話に思えるじゃない。でも男の人にとっては「負け」みたいなのね、あれ。

あのひととここだけのおしゃべり よしながふみ対談集より、よしながふみ談 (p.30)

女性だって敗けの意識の時期があるひとはいると思うけど、だから男性に軽々しく なんで離婚したの て訊いちゃいけないよ。軽くかわしてくれたら良いけど、答えるときには全身全霊、本気で決意をもって答えてしまうから

2011年12月11日日曜日

箴言

なるほど、この女らしい事を言うと風見は思った。浮気にも、浮気のなかの秩序があり、男との別れにも、別れのための礼儀がある。別れるのだから、あとはどうでもいいというものではないのだ。浮気はでたらめとは違う。古風な一夫一婦制度にはそむいても、男女関係というもの自体がでたらめでいいという訳ではない。夫婦関係に於て必要なものは、浮気の関係においても必要である。お互いのあいだの誠実さ、礼儀正しさ、相手を裏切らないこと、相手を辱しめないこと。

「洒落た関係」石川達三

2011年12月9日金曜日

箴言

女には二種類あってだね……と院長は言った。二種類どころか、何十種類もあるだろうが、大ざっぱに二つ分けることが出来るんだよ。一方は淑女型とでも云うかな。男関係がどんなにもつれても、どんなに不幸な結果になっても、静かに自分ひとりで処理して、決して男に復讐しようとなどとは考えない、そういうタイプの女だ。もう一方は野性的というか、怨恨型とでも云うか、とにかく一度男関係ができたら、どこまでもその男に喰らいついて放さないという女だ。それで男の方が息苦しくなってふり放すと、今度はあらゆる手段を用いて復讐をする。生涯恨み続ける。……だから二人の関係が巧く行っている時はこの女は貞女だが、ひとつ間違えば男を破滅させかなくては気が済まない、つまり犯罪型女性だな

「洒落た関係」石川達三

箴言

和尚さんにおがんでもらえば、死んだ人の魂は極楽へ行きますか

行きますとも……と和尚は和彦を睨みつけるようにして言った。だってね、あんた、私が拝んでやった死人は何千人といるが、その後誰ひとり文句を言って来た人はないんだよ。

「洒落た関係」石川達三

2011年12月7日水曜日

懐メロを聴き返していたら

私が「気づかないだけ」とだけ記憶していた箇所
男性パートは「気づかないふり」と歌ってた

YouTube "もしかして、I love you"

箴言

私には人間世界の仕組みがすべてわかっていて、それを合理的に説明できる。だから、私に説明できないものは存在する必要がないもの、存在すべきではないものだ。という傲慢さは僕には我慢ならないんです。だって、世の中説明できないものばっかりじゃないですか。(略)説明できないけれど、本人には動かしがたい現実である。それでいいと僕は思う。世の中には、説明できないけれどリアリティがあるものが確かに存在するんだから。それについては敬意をもって接すべきです。だから、自分でも説明できないリアルなものを他人から尊重してほしかったら、同じように、他人にとって説明できないけれどリアルなものを尊重したらどうかと言ってるだけなんです。

「現代霊性論」p.224 内田樹氏談

2011年12月5日月曜日

箴言

村上春樹さんの『東京奇譚集』という小説がありますけれど、村上さんの話も幽霊話が多いんですよ。(略)

エッセイで読んだんですが、村上さん自身、調子がいいときなら、自分の前に座った人の職業や家族構成くらいはわかるって言うんです。「こんなこと誰でもできるんだから、おおげさに言い立てたり、商売にしたりすることじゃない」というのが、彼のオカルト嫌いのロジックです。

「現代霊性論」p.131 内田樹氏談

箴言

フジ・ロック・フェスティバルを主催するスマッシュ代表取締役・日高正隆さんに「運営する上で最も重要な要素」を辻村氏が訊いた。

躊躇うことなく「安全・信頼・健康」と答える。「お客さんに、月曜日には無事に家に着いてほしい」

(「ネオカル日和」辻村深月より)